ドラール賞(ドラールしょう、Prix Dollar)とはフランスギャロがパリロンシャン競馬場の芝1950メートルで施行する競馬のG2競走(国際競走)である。凱旋門賞ウィークエンドにおいて凱旋門賞の前日に開催されている。競走名の由来は19世紀後半に活躍した競走馬、種牡馬であるドラールから。
概要
1905年にフランスのサラブレッド生産において不可欠な結果を残した種牡馬であるドラールを記念し、ロンシャン競馬場の芝3100メートルで創設された。第1回は秋に行われたが、次回以降に春季開催へ移行した。1909年に施行距離が2200メートルに短縮され、これ以降もたびたび変更されるが小幅にとどまり概ね中距離で行われている。
1934年のみサントネール賞 (Prix du Centenaire) の名で2100メートルのハンデキャップ競走として開催された。サントネールとはフランス語で百年の意味であり、その名の通り奨励協会(フランスギャロの前身)の100周年を記念したものである。賞金をハンデキャップ競走としては驚異的な318,600フランとし20頭の競走馬を集めたが、結果は斤量51kgの穴馬ピュリシュリミュス (Pulcherrimus) が勝つという波乱となった。
1969年には施行距離が現在と同じ1950メートルに変更された。それ以降で異なる距離で施行されたのは、1986年にシャンティイ競馬場の2000メートルで行われた1度だけである。1987年からロンシャン競馬場に戻り、翌1988年には3歳馬も出走可とした上で凱旋門賞の前日に開催されることとなった。
有名な勝ち馬としては、グレートネフュー (1967年)、カロ (1971年)、アレフランス (1975年)、トリリオン (1978年、1979年) 、ノーザンベイビー (1980年)、アルナスル (1982年)、オルダーブルック (1994年)、フレメンズファース (1995年、1996年)、アルハース (1997年)、ダノマスト (2002年) 、シリュスデゼーグル (2010年、2012年、2013年) 、バイワード (2011年) 、スカレティ (2019年、2020年) 、ドバイオナー (2021年) が挙げられる。
近年は本競走から香港カップを目指す馬がおり、2002年優勝馬ダノマストと2007年優勝馬ミュージカルウェイおよび2013年優勝馬シリュスデゼーグルが共に3着と結果を残した。また、優勝馬の中から種牡馬として1957年優勝馬モンタヴァルと1972年優勝馬シャラプールおよび1989年優勝馬クリエイターが、繁殖牝馬として前述のミュージカルウェイが日本に輸入されている。
負担重量は3歳56kg、4歳以上58kgを基本とし、
- 施行年5月5日以降のG2競走優勝馬は1kg増
- 施行年5月5日以降のG1競走優勝馬は2kg増
以上の条件で斤量が課せられる。
歴史
- 1905年
- ロンシャン競馬場で行われる芝3100メートルの重賞競走、ドラール賞として創設。
- エドモン・ブランの所有馬Gouvernantが優勝。
- 1907年 Procope と Eider が同着優勝。
- 1909年 施行距離を2200メートルに短縮。
- 1915年 - 1918年 - 第一次世界大戦の影響により中止。
- 1922年 Zagreus が史上初の連覇。
- 1934年 この年のみ2100メートルの奨励協会100周年記念ハンデキャップ重賞、サントネール賞として開催。
- 1940年 - 1943年 第二次世界大戦の影響により中止。
- 1944年 - 1945年 ル・トランブレー競馬場の2150メートルで代替開催。
- 1957年 施行距離を2000メートルに短縮。
- 1958年 施行距離を2250メートルに延長。
- 1960年 施行距離を2000メートルに戻す。
- 1962年 Bondolfi が史上2頭目の連覇。
- 1965年 - 1966年 シャンティイ競馬場で開催。
- 1969年 施行距離を1950メートルに短縮(以降、ロンシャン競馬場での開催ではこの距離で固定)。
- 1971年 グループ制導入に伴いG2に格付け。
- 1979年 トリリオン (Trillion) が史上3頭目の連覇。
- 1986年 シャンティイ競馬場の2000メートルで開催。
- 1987年 ロンシャン競馬場の9月末に移行し、施行距離は1950メートルに戻る。
- 1988年
- 施行時期を凱旋門賞の前日(原則10月第1週土曜日)に移行。
- 出走条件を4歳以上から3歳馬以上に変更。
- 1996年 フレメンズファース (Flemensfirth) が史上4頭目の連覇。
- 2002年 デンマーク調教馬ダノマスト (Dano-Mast) が制覇。
- 2005年 タッチオブランド (Touch of Land) が史上5頭目の連覇。
- 2012年
- 賞金総額を13万ユーロから20万ユーロに増額。
- シリュスデゼーグル (Cirrus des Aigles) が9馬身差で優勝。前年の2着をはさみ前々年に続く本競走2勝目。
- 2013年 シリュスデゼーグルが史上6頭目の連覇。かつ、史上初の本競走3勝目。
- 2016年 - 2017年 シャンティイ競馬場の2000メートルで代替開催。
- 2020年 スカレティが史上7頭目の連覇。
歴代優勝馬
※1978年以降の優勝馬を記載する。
日本調教馬の成績
日本人騎手の成績
日本調教馬以外での調教成績
- 日本調教馬以外と言っても馬主は2頭とも日本人である。
記録
- レースレコード - 1:58.30(2004年優勝馬タッチオブランド)
- 最多優勝騎手 - フレディ・パーマー 6勝(1949年 - 1951年、1957年、1960年、1964年)
- 最多勝調教師
- ペルシー・カーター 7勝(1938年、1939年、1949年 - 1951年、1960年、1964年)
- アンドレ・ファーブル 7勝(1982年、1984年、1989年、1991年、1999年、2011年、2014年)
脚注
注釈
出典
各回競走結果の出典
- courses-france より
- “ドラール賞(1950年 - 1979年)” (フランス語). courses-france. 2013年10月20日閲覧。
- “ドラール賞(1980年 - 2009年)” (フランス語). courses-france. 2013年10月20日閲覧。
- レーシング・ポスト より
- 1989, 1990, 1991, 1992, 1993, 1994, 1995, 1996, 1997, 1998,1999, 2000, 2001, 2002, 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008,2009, 2010, 2011, 2012, 2013, 2014, 2015, 2016, 2017, 2018, 2019, 2020, 2021, 2022, 2023, 2024
参考文献
- ウェブサイト
- “ドラール賞の歴史” (英語). フランスギャロ. 2015年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月18日閲覧。
- “競走詳細:ドラール賞(2024年)” (英語). 国際競馬統括機関連盟. 2024年5月18日閲覧。
- 出版物
- ギイ・チボー 著、真田昌彦 訳『フランス競馬百年史』クロード・ロベルジュ監修、財団法人競馬国際交流協会、2004年。




